HBMについての見識

HMBと筋肥大について

「HMBはブタのタンパク質の分裂を抑制するならば、人間でも同じ影響力を期待できると考えられるのでは?」

 

 1996年、アイオワ州立大学は、HMBにおいての動物実験の結果として、全世界で初めて人間に関しての臨床試験をやって、HMBが筋タンパク質の解体を抑制し、トレーニング有用性を引き出す可能性が考えられることを明確にしました(Nissen S, 1996)。

 

 

 HMBはロイシンの代謝活動産物のことです。ロイシンは筋肉の元である筋タンパク質の結合にもっとも必要であるアミノ酸と言えるものです。このロイシンが筋肉もしくは肝臓で代謝活動され、誕生したのがHMB(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate)です。

 

Nissenらの発見より20年、現在のスポーツ医学はレジスタンストレーニング(筋トレ)に関してのHMBのエビデンスを集積しつつあります。

 

今回については、2013年に国際的スポーツ栄養学会から出たHMBのガイドラインを参照しながら、本年度9月に紹介された新しいシステマティックレビューを解説していきましょう。

 

HMBについて4つの効果をを知ってきましょう

 

国際的スポーツ栄養学会についてはトレーニングを対象にしたHMBの効果につき4つのエビデンスを指し示しています(Wilson JM, 2013)。

 

これは「筋肥大の増大」 「筋損傷のリカバリー」 「年齢に伴う筋肉減少の予防」 「脂肪量の減少」というものです。

 

筋肥大は、筋肉の元となる筋タンパク質の合成反応が分解反応を上回るがために発生します。筋タンパク質の合成反応はmTORという酵素により上昇し、分解反応は主にユビキチンプロテアソームという名の酵素の集団により上昇します。

 

HMBにおいてはmTORを賦活化させ、ユビキチンプロテアソームを減弱させる働きがあります。この働きもとに、HMBを摂り入れたときの筋タンパク質の合成・分解反応を記録した研究においては、合成反応が増加し、分解反応が減少するから、トレーニング後の筋肥大が有意に増加することが示されているわけです。

 

ここのところがHMBによってトレーニング後の筋肥大の作用が増大すると言われている理由というわけです。

 

トレーニングによる筋肉痛はどんな人でも体験したことがあると思います。これは遅発性筋肉痛(DOMS)と言われていて、度を越した機械的刺激が筋肉を傷つけ、筋タンパク質の分解を強めるとともに炎症及び酵素の流出によって起こることが確認されています。

 

高負荷トレーニングについてのHMBの作用を比較・検討した研究の場合は、HMBの摂取によってトレーニング後の筋損傷マーカーと言われるクレアチニンキナーゼ(CR)や乳酸脱水素酵素(LDH)の値が有意に下降するとともに、筋タンパク質の分解反応が抑えられることが言われています。

 

ここがHMBがトレーニングにおいての遅発性筋肉痛の回復を強めるという理屈です。

 

しかしながら、HMBでの筋肥大の増大と筋肉痛の回復の作用にはトレーニングキャリアの有無が大幅に寄与する状況に気をつける必要があります。

 

HMBの作用の恩恵は、トレーニング未体験や素人さんが多く享受可能となります。一方で、トレーニング経験者に於いては、過度なトレーニングをした場合のみ受益することができるとされています。これは、駆け出しに比べて経験者は、トレーニングによる筋タンパク質の分解反応が少ないことが原因と言われています。詰まるところ、経験者ではHMBにおいての分解反応の抑制作用が意味をなさないと言えます。

 

我々日本人の筋肉量は、男女ともに40歳を経過すると減っていって、80歳に至るまでに最大10%も少なくなることが示されています。これについては老齢化にともない、筋タンパク質の結合抵抗性(anabolic resistance)が上昇するためです。その為、高齢になったとしても筋肉量を維持したいケースでは、更に多くのアミノ酸の摂取が必要です。とりわけアミノ酸の中にあっても、ロイシンが筋タンパク質の合成抵抗性に効果があることが提示されており、その代謝活動産物であるHMBに関しても同等の効果が叫ばれています。

 

ここがHMBが老齢化にともなう筋肉量の減少を予防するといった根拠です。

 

ボディービルダーもしくは体重別スポーツだと、筋肉量(除脂肪量)をキープして、脂肪量を少なくすることが要されます。しかし、カロリー制限をするがために筋肉量も減りやすくなってしまいます。一方で、HMBを摂り入れることで、筋肉量を保持し続けるとともに、脂肪量が減りやすくなることが確認できます。女子柔道選手に関しての調査では、カロリー制限の他にHMBを使用した被験者は、体脂肪率が有意に下降したことが掲示されています。

 

HMBが脂肪量の減少に貢献するメカニズムは明確になっていませんが、ここまでの背景からHMBは筋肉量を維持し、脂肪量を少なくする効果が示されているわけです。

 

これに関する研究結果より、国際的スポーツ栄養学会のオフィシャル声明(ガイドライン)では、HMBによる4つの作用のエビデンスを記載しています。

 

  1. HMBは筋タンパク質の合成を好転し、分解を抑えることによりトレーニングに伴う筋肥大作用を増加させる(特にトレーニングビギナー)
  2. HMBは筋トレした後の筋破壊の回復を強める(特にトレーニングビギナー)
  3. HMBは年齢に伴う筋肉ダウンを防止する
  4. HMBはカロリー制限とセットにすることで脂肪量の低下を加速させる

 

 

 

HMBの正当な服用法と安全性を押さえておこう

 

 

国際スポーツ栄養学会のガイドラインでは、HMBの効果をもっとも高める最適な摂取方法についても述べられています。

 

HMBが筋肥大の作用を表すための理想的な1日の摂取量は、体重あたり38mg(38mg/kg)だとされています。1つの例として体重70kgであれば2.6g(38mg×70kg)というわけです。ここまでの計算から、一般的に見て3gが摂取量のお手本にして設定されています。3gを1日に複数回に分けて摂り入れることが薦められています。

 

HMBの理想的な服用タイミングはトレーニング前(1から2時間)だとされています。このことは摂取後2時間くらいでHMBの血中濃度がピーク時期になる時間からり導き出されています。

 

また、HMBの作用を最大限にしたい場合は、2週間の継続利用した摂取が必要です。HMBを2週間以上、取り込んだグループは1週間の取り込んだグループと比べて筋肥大、筋破壊の回復の作用が有意に強かったことが記されています。

 

それに伴って、HMBの作用を最大限に手にするためには2週間を越す継続的な取り入れが推奨されています。

 

こうした服用法によるHMBの安全性にして、国際的スポーツ栄養学会は「全然問題ない」と結論づけているのです。

 

HMBの推奨量の2倍とされる6gを1ヶ月間、摂取したケースにもヘモグロビン、コレステロール、血糖、白血球、肝臓あるいは腎臓機能に悪影響は無かったと掲示されています(Gallagher PM, 2000)。

 

一番最後に、ガイドラインにおきましてはHMBの摂取形状に関しても公開されています。これまで紹介したHMBの殆どがカルシウム塩で作られたHMB-Caが元となっております。これに対して、近年では遊離酸で作られたHMB-FAによる作用の検証が行われています。しかし、ガイドラインが発売された2013年までにHMB-FAによる発表はあまりなく、今後のHMB-FAの作用が望まれるとの表記に留まっています。

 

このように、国際的スポーツ栄養学会のガイドラインによるとHMBの実効性のある服用法と安全性に対するエビデンスも開示されているのです。

 

  1. HMBの理想的な使用量は1日につき38mg/kgに相当する
  2. HMBの理想的な取り入れタイミングはトレーニングの1時間から2時間前が理想的
  3. HMBの効き目を最大限に獲得したいならば2週間以上の連続した服用が推薦される
  4. HMBにおいての安全性は研究によって証明されている
  5. これに関する実験はHMB-Caが元となっておりあり、ここからはHMB-FAの検証結論が期待されている

 

国際的スポーツ栄養学会のガイドラインは2013年に公開され、およそHMBのエビデンスが体系化しました。。そしてその先は更にHMBのエビデンスが蓄積してきています。

 

HMBはHMB-CaよりHMB-FAへ

 

それまでのHMBの研究は、大概がカルシウム塩により生み出されたHMB-Caにより指示されてきました。そしてここ最近は、遊離酸により開発されたHMB-FAによる研究結論が指示されています。

 

HMB-FAの利点については、HMB-Caと比べて吸収時間が速く、血液中濃度のピークが高水準のことにあります。HMB-Caは血液中濃度のピークに向けての時間が2時間だというのに対して、HMB-FAはごく僅か30分でピークに到達します。また人気を集めるのは血液の中濃度のレベルです。同じ用量であってもHMB-FAはHMB-Caと比べ約2倍の血液中濃度レベルが認めれているのです。

 

これを受け、HMB-FAは筋肥大や筋破壊の回復作用が著しいことが推定されているのです。これがHMB-FAが期待されている根拠です。

 

2017年9月カンピナス州立大学Silvaらは、レジスタンストレーニングを対象にしたHMB-FAの作用を検証した9つの究明をまとめたシステマティックレビューを初めてレポートしました。

 

HMB-FAはHMB-Caと同様で筋タンパク質の結合作用は増大し、分解反応は減少させる効果がわかっています(Wilkinson DJ, 2013)。これはトレーニングでの筋肥大の作用を高める事を示すと共に、筋破壊の回復をスピードアップする作用に直結します。

 

現実にHMB-FAの急性的な効果を調査したランダム化比較試験(RCT)からは、HMB-FAの摂取がトレーニング後の筋肥大を増やし、筋破壊を減らして、回復を促進することが明白になっています。

 

トレーニング経験のある被験者に関して、8週のレジスタンストレーニングを行なわせ、その前と後2週間を加味した12週のHMB-FAの服用による筋肥大への作用が検証されています。

 

その結果、HMB-FAを服用していない被験者と比較して、12週後の筋肉量が有意に増加したことが確認できました。しかも脂肪量は有意なダウンが示されたのです(Wilson JM, 2014)。

 

そのほか、2016年においてもHMB-FAが元になる筋肥大の作用が確認されており、同様の結果が期待できています。こうした研究結果より、HMB-FAは筋タンパク質の結合作用を高めて、トレーニングによる筋肥大の作用を増加させることが示唆されています。

 

さらに、トレーニングに伴う筋破壊に対するHMB-FAの効果も確認されています。

 

トレーニング経験有りの被験者は2日間1日3gのHMB-FAを摂取して、それ以降高負荷トレーニングを実行しました。結果、HMB-FAを摂っていない被験者と比較して、有意に損傷マーカーであるCKが減じており、トレーニング後48時間の筋タンパク質の解体作用が減弱されていることが確認できました。

 

ここまでのHMB-FAの成果は他の研究においても再現なされていて(Gonzalez AM, 2014)HMB-FAはトレーニングに起因する筋破壊の緩和および修復することが示されているのです。

 

これらの研究成果を説明したSilvaらはHMB-FAの作用をこのように結論づけています。

 

 「HMB-FAはトレーニングにおいての筋肥大、筋破壊の回復の作用をしっかりとアップさせる」

 

しかしながら、この結論を以てHMB-FAがHMB-Caよりも有用であるとは言い表せません。このことはこの2つの摂取形態をストレートに比較した検証が実行されていないからです。

 

将来、HMB-FAとHMB-Caのダイレクトな比較を行なった研究が公表されると考えられます。HMB-FAの作用がHMB-Caよりも大きいことが明白になれば、HMBは新たなターニングポイントになるのかもしれません。

 

HMBの人間への作用が研究されてから20年、トレーニングの成果を引き出すエビデンスは体系化がなされて、さらに新しい見識が蓄積されています。HMBにおいての健康分野の研究においては、加齢に伴う筋肉低下の予防のみならず、ガンなどの種々の病気への作用が認められています。

 

Firaマッスルサプリで被害

トップへ戻る